ひじの痛み

外傷が原因で起こる肘の痛みについて

肘関節は、上腕骨と尺骨（しゃっこつ）と橈骨（とうこつ）で構成されているものです。主に尺骨のフック状になった部分を、上腕骨に引っ掛けるようにした関節となっております。橈骨が尺骨に寄り添うようについています。ひねったり倒れて体を支えるために手を付いたりすることで、肘に大きなショックが生じるのです。そこで関節にゆがみを生じて、痛みが出ることもあります。

外傷以外の原因で起こる肘の痛みについて

上記のように外傷によって肘の痛みが起こる場合もあれば、突然痛みが出る場合もあります。たとえば手首を動かしたときに、肘の外側が痛む場合もあるでしょう。その際はテニス肘と呼ばれる、上腕骨外上顆炎を引き起こしている可能性もあります。

また肘を曲げ伸ばしした際に痛みが生じるという場合には、変形性肘関節症であることも考えられるでしょう。そのほかに投球動作によって痛みが生じる場合には、野球肘かもしれません。肘を曲げたときに小指や薬指の痺れを感じるという場合には、肘部菅症候群などが考えられます。

変形性肘関節症が原因の肘の痛みについて

ここでは肘の痛みの原因としてよくみられる、変形性肘関節症についてみていきましょう。

変形性肘関節症について

変形性肘関節症というのは、肘のなかにある軟骨がすり減ってしまうことによって起こります。少しずつ骨が変形し、痛みが出るという病気です。はじめのうちは肘に負担がかかったときのみに、痛みを感じる程度です。しかし進行してしまうと肘の動きが悪くなり、日常の動作も困難に感じるようになります。

さらに症状が進んでしまうと、安静にしていても痛みを感じたり、手にしびれや脱力感が出るようになったりするのです。注意が必要でしょう。

変形性肘関節症が起こる原因について

変形性肘関節症は、軟骨のすり減りが原因となります。軟骨は過度な労働や運動によって、肘に負担がかかることで、ダメージを受けてしまうのです。とくに野球で肘を痛めた経験がある方や、柔道などで肘を捻挫した経験がある方、骨折の治療を行った方は発症しやすいといわれています。

変形性肘関節症の治療について

変形性肘関節症の治療としては、薬物療法と理学療法・手術療法という3種類の治療が考えられるでしょう。症状が軽度の場合には、基本的には薬物療法と理学療法を、組み合わせた治療が行われます。薬物療法では痛みをおさえる湿布などの外用薬と、消炎鎮痛剤などの内服薬が使用されます。

理学療法では、痛みを取り除き炎症も鎮めるための、超音波治療や温熱療法が行われるのです。また進行を予防するための、筋力訓練が行われることもあるでしょう。

テニス肘が原因の肘の痛みについて

変形性肘関節症のほかにも、肘の痛みの原因となりやすいのがテニス肘です。テニス肘はテニスをしない方でも発症する場合があります。ここではテニス肘について、さらに詳しくみていきましょう。

テニス肘とは？

テニス肘は正式に上腕骨外上顆炎という病名があります。その名のとおりテニスのプレーヤーに多い症状ではあります。しかし重いフライパンを振るときや、パソコンを長時間扱っているときに、痛みが出ることも少なくありません。またものをつかんで上に持ちあげる動作や、タオルを絞る動作を行う際に、痛みやしびれを感じる場合もあるのです。

手首を伸ばしたときに痛みが出て、手首を曲げると痛みが出ないというのが、症状の特徴となっています。そのため濡れた雑巾を絞る動作をするときには、痛みが出ます。しかし元に戻るときには、痛みが発生しません。

テニス肘の原因について

テニス肘の原因は、はっきりと明確にわかっているわけではありません。しかし短橈側手根伸筋という部分が、肘の外側で障害されることによって、起こると考えられています。また加齢によって肘の腱の質が低下してしまう、スポーツなどによって無理な力が加わったりするのも、発症の原因と考えられるでしょう。

テニス肘の治療について

テニス肘の治療としては、第一に肘に負担をかけないようにすることが求められます。テニス肘用のバンドを活用したり、手首や腕のストレッチをしたりして肘への負担を軽減しましょう。また湿布や消炎鎮痛剤、ステロイド注射などが使用される場合もあります。

まとめ

今回は肘の痛みを引き起こす原因について、変形性肘関節症やテニス肘に焦点を当ててご紹介しました。肘の痛みを感じるという場合には、まずは原因を特定したうえで適切な処置を行うことが大切です。

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