坐骨神経痛になるとおしりが痛くなる?症状があるときのおすすめケアも紹介

坐骨神経はおしりからつま先にかけて通っており、そのため坐骨神経痛になるとおしりに症状が出る場合があります。しかし、人によっては別のことが原因で症状が出ている可能性もあるため注意が必要です。本記事では、坐骨神経痛でおしりに現れる症状とケア方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

坐骨神経痛で現れるおしりの症状

坐骨神経とは、腰からおしり、太ももやふくらはぎ、足の先まで通っている神経です。その神経に沿って痛みが生じる症状を坐骨神経痛といいます。

おしりに痛みが出る場合は、仙骨の横からおしりのくぼみの部分にかけて痛みが出るのが一般的です。また、股関節の周りに痛みが出る場合もあります。

ほかの原因によるおしりの痛みとの違い

坐骨神経痛のほかにも、おしりに痛みが出るケースがあります。具体的には以下のものが挙げられます。

● 筋肉の肉離れ
● 打撲
● 坐骨結節の痛み

筋肉の肉離れ

肉離れが起こる主な原因は激しい運動です。神経ではなく、筋肉に炎症が起こることにより生じます。そのため、損傷が生じた部位やおしり全体にかけて痛みが生じるのが一般的です。

打撲

転んでしりもちをつくと、筋肉や尾骨を打撲し痛みが出る場合があります。筋肉のみの痛みの場合は、比較的回復が早いです。しかし痛みが強い場合は、尾骨や背骨に損傷が生じていないかしっかりと検査する必要があります。

坐骨結節の痛み

座ったときに椅子にあたるおしりの骨の部分が坐骨結節です。坐骨結節には太もも裏の筋肉が付着しており、筋肉に緊張が生じると運動中にももの裏に痛みを感じることがあります。

坐骨神経痛の原因となる病気

坐骨神経痛の原因となる病気は複数あります。重症の場合は病院での治療が必要となるため、早めに対処することが大切です。ここでは、以下の病気について解説します。

● 腰椎椎間板ヘルニア
● 腰部脊柱管狭窄症
● 腰椎すべり症
● 梨状筋症候群

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、坐骨神経痛の原因となることが特に多い病気です。脊椎の内部には、クッションの役割をする椎間板があります。椎間板の中の髄核が、何らかの原因で外部に飛び出してしまうのがヘルニアという疾患です。

椎間板が飛び出すと神経が圧迫され、坐骨神経痛が起こります。腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛は、前かがみになったときに痛みが生じるのが特徴です。

腰部脊柱管狭窄症

腰部脊柱管狭窄症は、加齢により起こることが多い疾患です。腰椎の変性により脊柱管が狭くなり、神経根や馬尾が圧迫され痛みが生じます。腰部脊柱管狭窄症は、体を後ろに反らすと痛みが生じるのが特徴で、重症化すると歩行困難になるケースもあり、早期の対処が重要といえます。

腰椎すべり症

腰椎すべり症は、中年以降の女性が発症することが多く、加齢が原因の1つとされる病気です。椎骨が正常な位置からずれることで脊柱管が狭くなり、神経組織が圧迫されて坐骨神経痛が生じます。特に前屈位になった時に痛みを感じる場合が多いのが特徴です。座骨の痛みの他にも、足のしびれや麻痺、排尿障害などが生じる場合があります。

梨状筋症候群

梨状筋症候群とは、お尻の筋肉である梨状筋が何らかの原因で硬くなり、坐骨神経を圧迫することで起こる症状です。チクチクとした痛みが特徴で、お尻、太もも、ふくらはぎの範囲で痛みやしびれが生じます。長時間の座位などお尻に負担がかかる状況では、症状がより強く出やすくなります。

坐骨神経痛が起こる原因

坐骨神経痛を予防・緩和するためには、坐骨神経痛になる原因についてきちんと知っておく必要があります。ここでは、以下の3つについて解説します。

● 腰への負担が大きい活動
● 加齢
● 運動不足

腰への負担が大きい活動

腰の筋肉が緊張し、血流が悪くなると神経が圧迫されたり、椎間板や関節が変性したりして痛みが生じやすくなります。以下のような活動は腰への負担が大きくなるため、注意しましょう。

● 重いものを持ち上げる
● 長時間座っている
● 激しい運動

加齢

年齢を重ねると、筋肉や関節の老化に伴い、骨や関節、椎間板などが変性しやすくなります。変性した骨や関節が神経を圧迫し、神経痛が発症するというケースも珍しくありません。また、加齢による血流の悪化も神経を圧迫する原因となるので、毎日の食事・運動にも注意が必要です。

運動不足

運動不足は、筋肉や関節を硬くする原因となります。筋肉や関節が硬くなると血流が阻害され、神経を圧迫しやすくなります。

また、現代は仕事の影響もあり、運動不足気味な人が多いです。そのため、若年層でも神経痛を起こすケースは少なくありません。

坐骨神経痛でおしりが痛いときにおすすめのケア

「今坐骨神経痛でおしりの痛みの症状が出ている」という場合でもできるケアがあります。以下のケアを行いながら回復を目指しましょう。

● 姿勢を工夫する
● 靴や持ち物に注意する
● ストレッチ

姿勢を工夫する

坐骨神経痛の痛みがあるときは、負担の少ない姿勢で過ごすことが大切です。たとえば腰椎椎間板ヘルニアの場合、前かがみになると痛みが出やすいため、中腰の作業や猫背の姿勢を避けましょう。腰部脊柱管狭窄症の場合は、腰をひねったり、背中を伸ばしたりする動作に注意が必要です。

靴や持ち物に注意する

靴や持ち物によって腰に負担がかかる場合もあります。ヒールの高い靴は避け、自分の足に合った歩きやすい靴を選びましょう。また、片方だけに重心がかかるかばんなどを持たないように気をつけることも重要です。

ストレッチ

ストレッチには、硬くなった筋肉をほぐし血流を促す効果がありますが、痛みが強い場合は無理をせず安静にしましょう。また、自己流のストレッチは筋肉を傷めるリスクがあるため、プロの力を借りるのもひとつの方法です。不安な方は、信頼できる整体院に通って体をほぐしてもらうようにしてください。

まとめ

坐骨神経痛でおしりに現れる症状は、仙骨の横からおしりのくぼみの部分にかけて生じる「痛み・しびれ」が一般的です。神経痛は神経が圧迫されて起こるもので、筋肉の炎症や打撲などとは原因が異なります。痛みが出ているときは、負担のない姿勢を心がけるなどして改善を目指しましょう。

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